海千山千會 - うみせんやませんかい

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INDIGO JAPANESE PAPER PONCHO藍染和紙ポンチョ

  • material

    国産楮による漉き和紙/阿波藍染

  • size

    幅150cm×着丈100cm

  • note

    防水性能を持たせるために蜜蝋にて加工済みですが雨天での使用後は干してよく乾かし、白い筋になっているところを中心に蜜蝋でコーティング処理をお願いします。

こちらの製品は販売後に縫製を施します。 制作期間は約2ヶ月。詳細な納期は決済後ご案内させていただきます。

和紙 谷野裕子
手漉き和紙職人。 30歳を過ぎ、紙漉き職人を目指す。 現在、細川紙(2014年11月ユネスコ無形文化遺産記載登録)の正会員として工房「手漉き和紙 たにの」を運営するほか、学校・博物館・美術館等での和紙作りの指導や講演、他産地や海外での技術指導を行う。 書写素材としての和紙はもとより、ホテル、住宅、店舗の内装も手掛ける。
細川紙技術保持者/埼玉伝統工芸士/彩の国優秀技能者

藍染 Watanabe’s
藍師・染師 渡邉健太
阿波藍の産地として知られる徳島県上板町を拠点に、藍の栽培から、染料となる蒅(すくも)造り、藍染液の仕込みと染色、製品に仕上げるまでを自らの手で一貫して行う。蓼藍という植物の葉を乾燥、発酵させてつくる蒅をもとに、日本の伝統技法 ’’天然灰汁発酵建て’’ を用いてつくられる藍色は、深みのある、冴えた色合いが美しく、色移りしにくいという特徴を持つ。古き良き日本の伝統を残しつつ、新たな機軸で藍を伝えるべく、国内外で幅広く活動を行う。

縫製 JOCKRIC RECLAIM
徳島県上勝町は四国山脈の南東にあり、八割が美しい杉の人工林で覆われた山里です。高丸山を源流とした勝浦川が作る谷を中心に、大小の集落が点在しています。
JOCKRIC RECLAIMの縫製工房は、眼下に勝浦川上流域の清流が流れる気持ちの良い環境にあります。そして私たちはゼロ・ウェイスト宣言した町の一員として物づくりをし、自分のことから地域へのつなげる考えを持って行動しています。
Reclaimには開拓する、再生利用するという意味があります。そこにある価値を見出して、新しい命を産み育てることをしていきたいと考えています。

軽量な山道具の魅力を語るときに雨具、ザックカバー、タープと
一つで三役をこなすポンチョの存在はかかせない。

アメリカの明瞭期のUL(ウルトラライト)ハイカーのひとり
Gossamer GearのGlen Van Peskiと奥秩父を歩いた時、
不織布のポンチョDRIDUGS (現floogtogs)の雨具を
大切に修理して使っているのが印象的だった。

シンプルな道具は工夫して使うし、機能的すぎないからこそ魅力があるんだ。
この金言は僕の中に今も刻まれている。

和紙を漉く前の楮(コウゾ)の状態から藍に染められた
この独特の雰囲気の和紙は1枚と同じものがなく
藍独自の蟲を寄せ付けない強さが宿っている。

濡れて乾かしたら、たまに手で蜜蝋を塗り込んで
生地を強く保ってもらうことが必要だ。

文献には元禄時代に和紙を使った雨具が誕生したとされている。
350年前は和紙を糊で繋ぎ合わせ、皆、柿渋や桐油で雨合羽をメンテナンスしていたのだ。
生地の表面を見つめていると細かい木の屑を見つけられるだろう。
本当にこの道具は木からできているのである。

さて、現代においてこの藍染ポンチョはキワモノに見えるだろうか?
不便な道具だろうか?

海千山千會 千代田高史

彼らはみな単衣のゆったりした紺の短い木綿着を纏い、
腰のところは帯で締めていない。
草履を履いているが親指と他の指との間に紐を通してある。
頭の被り物といえば、青い木綿の束(手拭い)を額の周りに結んでいるだけである。

障子は穴だらけで、しばしば、どの穴にも人間の眼があるのを見た。
私的生活は思い起こすことさえ出来ない贅沢品であった。
これらは冒険家イザベル・バード(1831-1904年)の
『日本奥地紀行』明治十三年(1878年)からの一節だ。

藍の着物を着て、紙と木の家に住んだ私たちの祖先たちが親切で礼儀正しく、
物見高いところもいち早く近代化を果たした英国の青い目に映っている。
現在はいよいよ大股になって過去を置き去りにしてゆくようだが、
百五十年前にバードさんが見たのとそう変わらない光景が残っている仕事場がある。
徳島県上板野町で藍を畑で育て、発酵させ藍液を仕込み藍染をしている渡邉健太さん。
埼玉県ときがわ町で楮などの木を植え、靭皮から和紙を漉いている谷野裕子さん。
この二人は先人がしてきた作業を大きく変えることなく自らの工房で続けている。

逆らわず、欲張らず、感謝の気持ちを持ち、人が自然と共生した姿を
あの時のバードさんは見たに違いないと想像する。
そして現在の私たちは自らの生活を見直す必要に迫られている。

楮を藍染して漉いた大きな藍染和紙に、蜜蝋を溶かし塗ってポンチョにした。
実にローテクな雨具である。然し恵みの雨具であることを知り味わって欲しい。

海千山千會 立沢木守

埼玉県でコウゾを育て、和紙を漉いている谷野裕子さん。徳島県でアイを育て、藍染をしている渡邉健太さん。二人に依頼したのは楮を藍で先染し、手漉き和紙にすること。完成したのは1.4X2.0メートルという巨大な藍染和紙だった。